五世紀に釈尊の弟子の結集によって顕された経典には、約六十億年前に阿弥陀如来がまだ法蔵菩薩のとき、理想の世界を創るため二十億年の間考えたあげく師の世自在王佛に対し四十八の願いを誓ったすえに約四十億年前に地球を造ったとある。その法蔵菩薩の四十八の願いのうち十八番目の願いが王本願と云って我々人間を救う唯一の方法というのである。故に「おはこ」として大切にせよというのである。
十八という数字は宇宙の真理の数である。人間が一番過し易い温度は18度であり、人の睡眠時の呼吸数は一分間に18回であり、月が起こす海の波は荒波のときも漣のときも一分間に18回である。「鬼も十八番茶も出花」といって人間の最盛期は18歳でありこれ以降は老化の一途を辿るのであります。アメリカで起こった野球のエース番号は18であり内容も裏表合わせて18回であり、イギリスで起こったゴルフも18ホールである。十八という数字は人間との関わりだけでなく自然界と密接な関係にあります。
浦島太郎は、最後には死んだというより結局昇天したのであり、「おはこ」により涅槃(ニルバーナ)に入ったのである。空海上人が遺された京都五山の送り火の如く、弥陀の願船によって浄土へ渡ったのです。涅槃とは彼岸・寂滅・入滅・入寂・悟り・正覚・無上菩提・無上正編智・阿耨多羅三藐三菩提・成佛・往生のことである。簡単に言えば何の心残りもない最上の幸福世界に入ったということである。それは目には見えないけれど目の前にある極微の光の世界であり、また同時に宇宙いっぱいのエネルギーの世界のことである。
約束し玉手箱を太郎に渡した。亀に送られ元の世界に戻ってみると知っているひとは誰一人としていなかった。寂しさのあまり終に玉手箱を開けると中から煙がでてきて、その煙を浴びた太郎はおじいさんになってしまった話である。